◆◇◆Save Our Souls 我らが魂を救え!◆◇◆


<< バスを待ちながら >>
〜LISTA DE ESPERA〜

バスを待ちながら

↑オフィシャル・サイトは、ここをクリック!

(東京都内は、シネ・アミューズで3/1まで!それ以降は、オフィシャル・サイトをチェック!)

食べる物があって、雨露もしのげて、ポケットには、 ほんの少し、お金も入ってるのに、
右向いても、左向いても、「不況」「不況」で、 暗い顔ばっかりの我が日本国民。

それに比べて、バス停も、両替所も、映画館も、 アリスクリームを買うのでさえも、
至るところ長蛇の列が待っていて、しかも並んだからって、
確実にゲットできるわけじゃない! っていう状態なのに、
やけに陽気そうなお国の方も、この地球にはいらっしゃる。
そのお国とは、キューバ。
そう、『ブエナ・ヴィスタ・ソシアル・クラブ』などでおなじみ、 太陽と音楽と情熱の国。

でもキューバは、この世の楽園というわけではないんです。
1959年に革命を樹立してから、40年以上も アメリカの経済封鎖を受けているので、
物不足は深刻だし、 経済も混乱してるし、とても、音楽と情熱のパラダイス!
な〜んてノンキなこと、言ってる場合ではないのよ。

とにかく欲しい物があったら、何でもいいから、長蛇の列に並ぶしかありません。
バスに乗るのも同じこと。
「列の最後は誰?」と声をかけるのが、この国のマナーだからね。
すると、誰かが、「わたしよ!」と声をあげる。
みんな何時間も待ってるから、そのうち、 どこへ行くのか、どんな目的があるのか、
腹が減ったねとか、 うちの孫の写真を見てよ、とか、ダンナが浮気してさぁとか、
人生相談も始まるし、もう、どんどん会話が盛り上がっていくのね。
みんな、たまたまここに居合わせただけの、他人なのに。

「バスを待ちながら」は、タイトル通り、バス停でバスを待つ人々のお話しです。
で、待ちに待ったバスがやっと来たのに、乗車できるのは、 たったの一人!?
俺が先だ、わたしが一番なのよ!、いや、盲人の俺が先だっ! と、大ゲンカしてるうちに、
あらら、バスが行っちゃったよ・・・。
しょうがないから、おんぼろバスを修理しようとしたら、やっぱり動かないから、
闇商人が隠し持っていたロブスターやら、肉の缶詰を開けて、 パーティ開いちゃったり、
バス停をもっとキレイにしようと、ペンキを塗り始めたり、
わいわいやってるうちに、みんなどんどん仲良くなってきて、 恋も始まっちゃったりして、
あらら、どうしたの? 気づいたら、このバス停はパラダイスだったの?
だって、次のバスが来ても、誰もここを離れようとしないんだもの。
と、おとぎ話は楽しく進みます。

この映画は、『苺とチョコレート』という、名作をつくった スタッフが、再集結して、
"本当の幸せ"ってこんな感じだよね、 と、ウィンクしながらみせてくれます。
物はないけれど、太陽の光はタダだし、雨は神様からの シャワーだし、これまた無料。
何でもかんでも、あるもの寄せ集めて、
"ともだち"とか、"家族"とか、"希望"というスパイスを一振りすれば、
この世はパラダイス! そして何より、好きな人がそばにいれば、 もっと幸せ!

おいおい、現実のまっとうな人生は、そんなお気楽じゃね〜よっ!
って、眉間にしわ寄せて思う人もいるだろうけれど、
お気楽にしたって、いいじゃない。

このままでいいんだろうか?(よくないかも)
こんな不況で、仕事はあるんだろうか?(ないだろな)
食えなくなったら、どうしよう。(イモを植えるってのは、どう?)

ま、とにかく、今の今、困ってないんだったら、今日一日を 楽しみましょうよ。
でもって、困った時に、本当に困ってみれば、何かしら、解決できるってば。
それは、現実逃避なんかじゃないんだよ。
困ってない今を楽しめないなら、困った時だって、ちゃんと 困ることができないってことなの。

今、かりに困った現実があったとしても(わたしにだってあるんだっ!)、
だから人生真っ暗闇ってのは、あまりに芸が無さ過ぎるでしょ?
何の楽しみも自分で生み出せないなんて、
俺様は、こころまで貧しくはないんだぃ、えっへん!
ボロは着てても、清潔だし、グルメ料理とは縁遠いけど、
納豆やシラスは、ウマイだけじゃなくて、栄養も満点じゃ。
よいお友達が、あげるとは言ってくれないけど、CD貸してくれるし、
おいらの書庫は、図書館の人が、ただで管理してくれてるし、
何より、いつも元気でにこにこの俺様が、 この世のいちばんの宝なんじゃ!
わっはっはっ。

だからね、その眉間のしわを伸ばして、 ポケットにちょっとだけお金を入れて、
映画に行ってきなさいって。
3月1日までだから、走って行ってきてね!
それからデパ地下でも行って、行列に並んでみてよ。
で、思い切って、前の人に話しかけるの。
もしかしたら、一緒にパンを 食べながら、笑いあったりする友達の一人ぐらい、
見つけられるかもよ。

                                        −writing by 吉田 妃呂−

戻る




[HOME]
MAIL ←吉田妃呂への
メールはこちらへ!