◆◇◆Save Our Souls 我らが魂を救え!◆◇◆


<<セクレタリー>>
〜Secretary〜

封筒の中身

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SMのお話です。
そうです。お尻ペンペンとか、あります。
あっ!ちょっと待って、ここで引かないでぇ〜!
『SMなんて、わたしには関係ないわ!』と、決めつけないでくださ〜い!
だって本当は、純愛ストーリー?なんですもの。
ほほほ。

さて、主人公のリー・ホロウェイは、25歳、独身。
就職経験も、男性経験もまったくなく、猫背で、
ダサいファッションに身を包む、内向的な女性。
超過保護なママと、アルコール依存症のパパとの間で育ったせいか、
身体に傷をつけ、それが癒えることで、 わずかな安心を得ようとする自傷癖があり、
半年ほど入院していた病院から、退院したばかり。

そんな彼女が、社会復帰を目指し、就職したのが、
秘書を募集していた、エドワード・グレイの弁護士事務所。
ボスのミスター・グレイは、なかなかハンサムで、
蘭の栽培と、身体を鍛えるのが趣味のインテリ、43歳独身(離婚歴あり)。
でもこの男、ちょっとわけありで、秘書のミスをねちねちイジめるのが趣味の、
サド男だったのね。
その彼が、おどおど女のリーを相手に、電話の応対の特訓をし、
書類のタイプミスを赤ペンで印をつけては、 何度も打ち直させたりと、
びしびし、しごきまくるだけでなく、 ビンボーゆすりや、鼻をすするクセとかを、
『みっともないっ!』と、すごい剣幕で叱ったりするの。

ところが、意外や意外!
リーはなぜか、その特殊な秘書教育のお仕置きに、
快感を覚えちゃうのよねぇ。(あら、あら)
しかも、ボスにも、やさしい面があって、 彼女の内ももの傷に気づくと、
興奮しつつも、気持ちを転換する方法を、こっそり教えてあげたりするの。
『何か問題があるなら、気楽に相談してくれ』なんて、 言っちゃったりして・・・。

それからのリーは、自分を傷つけるための、 裁縫セットを持ち歩かなくなるし、
当然、ボスへの思いも、愛情へと発展していくわけです。
お互いにデリケートで、心に傷をもつ二人は、実は相性ピッタリだってこと、
リーは、直感的に見抜いたし、それを信じて疑わないの。
『彼を理解できるのは、わたしだけなのよ!』って。

愛に目覚めた彼女は、 彼の愛のムチを受けようと、
どんどん変身していくし、彼の性癖に合わせて(?)、
積極的にモーションもかけていきます。
たとえば、白いブラウスにミニのタイトスカート、その下は、子供っぽい白いパンツ、
背筋矯正の棒もかついじゃえば、お手紙も口にくわえて運ぶ始末。
根が純情なだけに、その一途さには、胸を打たれるものがあります。(笑)

そしてさらにおかしいのが、リーの猛烈なアタックによって、
二人の立場や力関係が、微妙に変化していくこと。
表面的には、ボスと秘書という主従関係が、保たれてはいるけれど、
実際に、男と女としての関係の手綱を握っているのは、リーですからねぇ。
ここのところの駆け引きは、ノーマルな恋愛でも、同じでしょ?

このまま二人は、パラダイスを目指すのかと思いきや、問題発生!
リーが自分の欲望を認めて、それを受け入れていくことで 自己解放され、
どんどん奔放になっていくのに反し、
ミスター・グレイは、そんな彼女に困惑し、離れようとするのね。
「くびだっ!出ていけっ!」って、それはヒドイ仕打ち!
つまり、この男、自分の性癖を恥じているというか、自己嫌悪していたのね。
支配したがるくせに、実は小心者。
いるでしょ、こういう男?

でも愛の力にあふれたリーは、全力で、 この小心S男の心の扉を、
たたき壊そうといたします。
その経過と結果は、映画館で存分に楽しんでいただくとして、
見終えた後の、爽やかさ(?)に、きっと驚かれることでございましょう。
中には、開眼される方もいらしたりして。
わっはっはっ!

リーを演じる、注目の新人、マギー・ギレンホールと、
ボス役の屈折したS男の、ジェームズ・スペイダーが、
これ以上ハマる俳優はいないだろうと思わせるほど、上手いのも すごいけれど、
セックスの滑稽さを、ちゃんと示しながらも、エログロにはならず、
どんな恋愛にも、深いコミュニケーションが必要だってことを、
きちんと伝えるあたり、この監督、 なかなかの力量ありと、
お名前を記憶することにいたしました。
この作品が長編2本目の、スティーブン・シャインバーグ監督。
この作品で、2002年のサンダンス国際映画祭、特別審査員賞を受賞いたしました。

パンチのある奥深い恋、クセになるかもよん?

                                             2003.8.16.

                                    −writing by 吉田 妃呂−

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